マミートラックとは、子育てと仕事は両立できるものの、昇進・昇格と縁遠くなる働き方、また、そのようなキャリアコースのことです。子供を産むまで、男性と変わりなく働いていたにも関わらず、育休から復職後は、誰でもできるルーティンワークが与えられ、それまでのやりがいや成果を感じられることなく業務を「こなす」。そのうちに、同期であった男性はどんどん昇格していく…。
そういった状態が、働き続ける女性のモチベーションを下げることになる、と問題提起がされているのです。ただ、これは問題ばかりでしょうか?もともと、女性の目指す「幸せ」というのは、沢山の種類がある。専業主婦になりたい人、子供が3歳になるまでしっかり育休を取りたい人もいれば、早期復職して出来る限りブランクを無くしたい人。働く女性のベストなワークライフバランスは、男性には考えられないほど細かく存在します。
ルーティンワークであれば、子供の急な発熱によるお迎えや、風邪を引いた時の突発的な休みでも、仕事は誰かが対応可能であったり、次の日に回しても問題ありません。社員であれば派遣や契約社員でないので、そういった業務であっても安定して働き続けられる保障があるのです。
これは、制度が整備されている企業に入る努力をし、休み前の仕事ぶりを認めてもらったワーキングマザーのみが得られる働き方のひとつであるともいえます。育児が落ち着けば、声をあげて前線へ戻る働きかけができるのだから、マミートラックはすべてを否定しなくてもよいのではないでしょうか。彼女たちは、それまでにも産休・育休・復職・時短などの交渉を行っているのです。それだけ育児というのは、人生に大きな影響を与えるものなのです。子どもがいる以上、誰かに変わってもらわなければいけない場合は多発するものです。いずれそういったことにも対応できる体制が整い、男女関係なく育児を支えながら働ける世の中になればいいと思います。